幸福の科学の学校建設を考える

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有田芳生『「幸福の科学」を科学する』天山出版

d0194830_17304518.jpgこの本を読んだ後、先月の週刊ダイヤモンド(11月13日号)の特集「幸福の科学 急拡大する劇場型宗教の行方」を読んだ。最近の動向を見ても、20年近く前に有田氏が書いた本が古く感じられない。

その理由は、幸福の科学の教団としての性格が20年前とほとんど変わっていないからではないだろうか。大川総裁の著書販売や講話、セミナーを中心とした布教と集金のしくみ。他の宗教や教団からコラージュしたような教義。憑依を素材にしたアトラクションによるセミナー開催と著作製造。
また、政治的には約20年前には自民党のタカ派と近い考え方だったが、今も同じようだ。

変わったのは、大川総裁が書いた本の冊数が増えたことと、教団の集金システムがより現代的になったこと、幸福実現党をつくって自ら政界に進出したことくらいだろうか。宗教施設の建設や学校法人の設立によって、不動産資産が急増したことも変化のひとつかもしれない。
 
『「幸福の科学を科学」を科学する』によると、1986年に「幸福の科学」が設立される前は、『霊示集』を大川の父である善川三朗の名前で発表していた。
しかし、幸福の科学として世に知られていく過程で、父の善川三朗が参謀役、大川隆法が巫女役になって発展していったらしい。

大川隆法の教えは、GLA(1969年に大宇宙神光会として発足した教団)の教祖・高橋信次の考えやスピリチュアリズムに大きく影響を受けている。また、生長の家が『人類光明化運動』や『七つの灯台の点灯者の啓示』で、日本や日本人を特別だと強調するナショナリズムの影響も受けているようだ。

この本に掲載されている信者による座談会も興味深い。
座談会の参加者は、宗教として「幸福の科学」を捉えず、知の部分に共感している者、環境問題に興味があった者、宗教に興味があったが修行などは嫌だった者など。オウム真理教の信者のように、この世を憂い、切実な救済を求めているような感じではない。

しかし大学のサークルなどではノストラダムスの啓示に惹かれて参加する者も多いようだ。

最も興味深いのは、「“幸福の科学”VS講談社戦争」の真相の章。

大川総裁が商社にいる頃にノイローゼの相談に来たという者の証言や家族で撮った写真を講談社の「フライデー」が掲載したことに対して、名誉毀損、肖像権の侵害などとして、講談社の通信手段を麻痺させる攻撃をしかけた事件だ。幸福の科学の信者などから講談社へ「フライデーの廃刊」を求める電話とファックスは1991年9月2日の午前9時頃から9月6日の午後9時頃頃まで続いた。

有田氏は信者などへの取材により、これが組織的・集団的な攻撃だったことを明らかにしている。幸福の科学の東京北部統括支部では地区ごとに担当者が決められ、時間を区切って送るように指示されていた。九州本部では支部ごとにファックス番号が割り振られ、「ファックスは自宅からです。支部からは送信禁止です」との注意書きまであった。

当時、幸福の科学の批判記事を書いていたのは、講談社のフライデーだけではない。『新潮45』(新潮社)や『正論』(産経新聞社)も批判記事を書いていた。
では、どうして講談社にだけこのような攻撃をしたのか。

その理由として、有田氏は、幸福の科学が講談社と真如苑が幸福の科学を潰そうと思っていたことを記者会見で言ったことを上げている。
しかし、ほかの理由の方が説得力がある。

ひとつには、講談社が叩きやすかったこと。
アグネス・チャンの抗議を理由に『デイズジャパン』を廃刊したことやビートたけしが殴り込みをかけた「たけし事件」に典型的な人権感覚を問題にすれば、講談社指導部が簡単に折れると思っていたことをあげている。

また、この攻撃の背景には、幸福の科学が会員拡大の目標を達成するために、組織を引き締め外部に打って出る必要があったこと、もし目標を達成できなかったとしてもマスコミの攻撃によるものだと責任回避できることだろうと言っている。

この本を書いた有田氏に、「20年近く経って、この事件について書き直す必要はないのですか? どうして、幸福の科学はいまでもこの事件を“希望の革命”と呼んで反省していないのですか」
と尋ねた。

有田氏からは親切にもこのような回答をいただいた。
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かつての著作に(古くなったとはいえ)変更点はありません。

「希望の革命」は幸福の科学のHPにこう書かれています。
〈「希望の革命」が始まり、精神的公害を一掃する正義の戦いがなされる。戦
後日本が仏国土建設へ向かうターニング・ポイントとなる。〉

つまりはフライデーをはじめとして批判者は「精神的公害」という位置付けな
んでしょう。
今年選挙前に幹部たちと討論しましたが、フライデー事件に触れられるのを嫌
っていることがわかりました。言っていることと公式見解が食い違うようで
す。
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この本は今や古本でしか入手できないが、言論・表現の自由の問題を考える上でも貴重な書籍だと思う。

有田氏と幸福の科学幹部との討論はこちら
「幸福の科学ナイトだぜよ!」超ロングリポート 2010年6月13日やや日刊カルト新聞
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by ooginosatoeast2 | 2011-01-02 17:32 | BOOK