『新宗教と日本人』には浅見氏の「“幸福の科学”からの手紙」-「“幸福の科学”教義の滑稽をめぐって」が掲載されている。このなかに引用されている大川総裁の本があまりにもひどい差別的な内容なので本当かと思って読んでみた。
読んでみると浅見氏のいう通りひどいので驚いた。
『ノストラダムス戦慄の啓示』と聞くと、ノストラダムスの翻訳か何かと勘違いする人もいるだろう。まえがきやあとがきでも霊人としか書かれておらず、まさか大川総裁がノストラダムスの名を語って作った話だとは気がつかないと思う。
話の内容は日本とイスラエルが世の支配をすることになるというものだ。
諸外国には差別的な言葉が浴びせられている。
ロシアには「呪いがかかっている」(p.18)
イギリスには日本に「許しを乞うがよい」(p.27)
フランスには「悪しきことを心に抱いている」(p.33)
東南アジアの国々は再び日本の「軍門に下らん」(p.38)
中国には「数限りなく犯され続けてきた」(p.41)
「8億人は死ぬ」(p.114)
北朝鮮と韓国には「おまえたちは没し去るであろう」(p.45)
アメリカには、自由はよかったが平等主義によって「精神に次々と障害が生まれている」(p.81)
21世紀、日本は無敵となり、
アメリカの「のどを食いちぎり」
力尽きたロシアを「打ち倒し」
老いたヨーロッパを「あざ笑い」
中国を「奴隷とし」
朝鮮を「端女(はしため)とする」(p.159)
日本に興る「太陽の法」(つまり幸福の科学)が世界を救うのだ。(p.163)
という内容の本だ。
浅見先生はこの本を詳細に批判しているが、普通の人はこんな本を読むのも苦痛だろう。
ノストラダムスの言っていたこと自体がかなりいいかげんだと思っていたが、実は当時、この本のような内容だったのかもしれない。